おとめ座銀河団 桜井 義浩
<おとめ座銀河団について>
太陽のような星が数千億個集まった星の集団を銀河(系)と言いますが、その銀河(系)がさらに数千億個集まった集団を銀河団と言います。
この宇宙にはそういう銀河団が多数存在しますが、その中でおとめ座の方向にあり、比較的我々に近いものが、おとめ座銀河団です。
近いといっても約5000万光年(光の速さで5000万年かかる距離)の遠さにありますが地球から見て満月の幅の20倍近い広がりで見えていますので、どれぐらい広大な空間に広がっているか想像していただけると思います。
<モザイク合成写真について>
遠い銀河の形状を写し撮ろうとすると非常に小さいので焦点距離の長い望遠鏡で撮影する必要がありますが、焦点距離が長いと狭い範囲のものしか撮ることが出来ません。
そしておとめ座銀河団のように広い範囲に散らばっていて、かつその形状も写し撮りたい場合には、何枚かの写真をお互いが少し重なるように撮っておいて、後でパソコン上で重ね合わせて1枚の写真に仕上げるという手法を用います。
<写真の説明>
この写真ではおとめ座銀河団の主要部を4組の写真に撮り、それを重ね合わせています。
写真中で丸い点に見えているのは我々の住む銀河系の中の星ですが、周りがぼやっとしていたり、ひしゃげていたり、ひげの様なものが出ていたりするのがおとめ座銀河団に属する銀河達です。
主な銀河に番号を入れていますが、頭にMの文字が入っているものはメシエ天体と呼ばれており、シャルル・メシエ(1730~1817)が彗星捜索の際に紛らわしい天体に番号を付けたものです。NGCの文字が入っているのはNewGeneralCatalogueで、ジョン・ドレイヤーが1888年に発表した天体のリストです。メシエよりも、より高性能な望遠鏡が使われたので、メシエ天体よりさらに暗い天体までリストアップされています。
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